blog

家づくり性能について

地震に備える「岡山・倉敷の家づくり」とは

2024.03.06

皆さま、こんにちは!
satoie(竹田建設株式会社)の竹田亜沙美です。

今年に入ってから、地震についてお話する機会も多くなっています。
年明けの能登半島地震の影響もあり、地震等の災害について考える機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。

色々な災害がありますが、今日はその中でも、地震について書いてみたいと思います。
書き進めていくと、とても長くなってしまったので、2回に分けて投稿いたします。

地震への恐怖

地震に対して皆さまが「恐怖」や「不安」を感じられる一番の理由は、やはり「急にやってくる(予測が難しい)」からですよね。
緊急地震速報が発表されるようになったものの、数秒後に到達するであろう強い揺れに十分に備えることは難しいのではないでしょうか。

そもそも緊急地震速報が、どのような仕組みで発表されているか、ご存知でしょうか?
まずは緊急地震速報の仕組みについてお話します。

緊急地震速報とは

地震が発生すると震源から地面を伝わって揺れが波のようにやってきます。
これを地震波と言います。
岩盤などがズレて動いた時に、地中に振動が発生して周囲に波のように伝わっていく現象です。
地震波には大きく分けて地中を伝わる実体波と地表面を伝わる表面波があるのですが、「実体波」が緊急地震速報の仕組みに関係しています。

実体波には、P波(最初の波)とS波(2番目の波)があって、P波の方が速く伝わり弱い揺れ(ガタガタと上下方向の小刻みな揺れ)、S波の方が(P波の)後に伝わってきて、強く大きな揺れ(ゆさゆさと横方向の揺れ)という性質があります。
ちなみに、P波のPは「Primary=最初の」の頭文字、S波のSは「Secondary=二番目の」の頭文字から、そう呼ばれています。

このS波が被害をもたらす強い揺れなので、先に伝わってくるP波を検知したら「緊急地震速報」を発表し、その後にやってくるS波による危険が迫っていることをお知らせしているのです。
ちなみに、P波はS波に比べて約1.7倍の速度で伝わるので、その時差から震源地までのおよその距離や震源地の決定に利用されています。

この仕組みからわかるように、予測というよりは(P波の)揺れが発生してから発表するため、揺れに備えるだけの十分な時間の確保が難しいのです。
しかしながら、P波を感知して非常に短い時間で、瞬時に予測・発表する技術はすごいですよね。
また震源地やマグニチュードの計算も非常に短い時間で行われています。
津波という災害については、完全に防ぐということは厳しいかもしれませんが、避難のための時間があるという点では、適切な判断を行えば命を守れる可能性が高いのかもしれませんね。

このように緊急地震速報をうけ、十分な避難のために時間を確保することが難しいのが現状ですが、私たちは命を守るために何が出来るのか。
それは、建物を強い揺れに耐えることのできる状態=「地震に強い家」にして、その後に起こるかもしれない余震(もしくは本震)や二次災害から避難するための時間を確保することです。

地震に強い家

では、地震に強い家とはどんな家でしょうか。
「地震に強い=耐震性能が高い」と言い換えることが出来ますが、耐震性能には、「耐震等級」という性能のランクを表すものがあります。
ご存知の方も多いかもしれませんね。

具体的には、耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3という3つのランクがあり、数字が大きい方が地震に強い、つまり現在は耐震等級3が最高等級となっています。
まずは耐震等級についての解説の前に、そのベースとなっている「耐震基準」について解説します。

耐震基準とは

日本の建築物についての法律は「建築基準法」という法律があります。
この法律に則って、建築物は設計・施工され建築されています。
その中でも、地震に対して建物が安全であるための基準が「耐震基準」です。
「耐震等級」と「耐震基準」。ちょっと似ていて、ややこしいですね。

耐震基準は1950年に建築基準法が制定されて以来、大きな地震が起こる度に見直され1981年と2000年に大きな改正が行われています。
1950年の基準は旧耐震基準、1981年の基準は新耐震基準、2000年の基準は2000年基準や新・新耐震基準などと言われます。
詳しくは割愛しますが、1981年の改正では1978年の宮城県沖地震(最大震度5)が、2000年の改正では1995年の阪神淡路大震災(最大震度7)がきっかけで見直しされました。

1950年の旧耐震基準

1950年の旧耐震基準では「震度5程度までの地震で修復可能、倒壊なし」が基準となっていました。
1950年よりも前に最大震度6という地震は何度も発生していますが、ここでは震度5に耐えられるか否かが目安になっていたようですね。

1981年の新耐震基準

1981年の新耐震基準は「震度6強~7の大規模地震で倒壊なし、震度5強程度までの中規模地震で軽度のひび割れ程度」と基準が新しくなっています。
現在の建築基準法でも、この新耐震基準がベースとなっているため、想定されているのは最大震度7なので、阪神淡路大震災クラスの地震が発生しても命を守れる基準と考えられています。

2000年の新・新耐震基準

2000年の新・新耐震基準は、1995年の阪神淡路大震災で1981年の新耐震基準で建築された多くの木造住宅が倒壊・半壊したのがきっかけとなり、木造住宅をメインに制定されました。
1981年の新耐震基準に、地盤調査や柱の接合に使用する金物の規定、耐力壁の配置バランス、床の剛性などが追加されました。

耐震基準は「最低基準」

ここでポイントなのは、この基準をクリアしていたら「大丈夫=安心」という基準ではない、ということです。

皆さまの想像されている安心な状態は、どんな状態でしょうか?
法律で定めている地震に対する基準をクリアしてる建物なら、震度7の地震が発生しても、きっと建物が無傷で地震のあとも住み続けることのできる状態ですよね。

でも、この基準は、あくまでも震度6強~7の地震が一回発生しても、「倒壊しない基準」であって、壊れないわけでも住み続けることが出来るわけでもないのです。
一回の地震の衝撃で、とりあえず建物が倒れなかったら命は守れるでしょう、という考え方で設けている基準なのです。

言い換えれば、半壊するかもしれないし、その後の余震では倒壊するかもしれないということです。
現に、2016年の熊本地震では3日間に震度7が2回発生し、2000年基準で建築した建物(耐震基準を満たした建物)も倒壊や全壊しています。
つまり「耐震基準」は、あくまでも命を守るための「最低基準」だということです。
この最低基準である「耐震基準」が次に取り上げる「耐震等級」のベースであり、「耐震基準=耐震等級1」なのです。

次回は、耐震等級や地震に強い家になる要素について書きたいと思います。
ブログではなく、直接話がしてみたい!という方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

倉敷で高気密高断熱な木の家を「satoie」

竹田建設株式会社

〒711-0931 岡山県倉敷市児島赤崎4丁目2273-2

[ お問い合わせ先 ]

TEL:086-472-1035 [お問い合わせページはこちら]

受付時間:8:00〜17:00 [定休日:日曜・夏季・年末年始]

[ 施工エリア ]

岡山県倉敷市を中心とした片道1時間圏内を基準としています。
倉敷市・早島町・玉野市・岡山市・総社市・浅口市・矢掛町・里庄町

[ 施工事例 ]

公式サイト施工事例ページはこちら >>>

Instagramでも施工事例を更新中!