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家の役割で最も大切なことは、災害から命を守ることができる居場所になるということです。日本では大地震が各地で頻繁に発生しています。震度7の地震が繰り返し発生した熊本地震では、現行の建築基準法で定められている耐震性能を持った住宅の一部でさえ、倒壊しているという現状があり、さらに今の日本に建っている家の約90%が倒壊の可能性があると言われています。耐震改修とは、既存の建物を調査・耐震改修することで構造の強度を高める工事のことを指します。もしもの大地震に備えて、命を守るために行う大切な工事なのです。

新築住宅では、建築基準法による耐震等級という基準があり、等級3を最上位とする3段階に分かれています。最高等級の等級3は耐震等級1と比較するとその1.5倍の強度を持っており、震度7の地震が繰り返し来ても倒壊しない強度と言われています。耐震等級1の建物では繰り返しの地震に耐えられず、住み続けられなくなるのです。築古の家ではどのような考えになるのか。それは上部構造評点と呼ばれる指標があり、図のように1.5の評点であれば耐震等級3とほぼ等しい耐震性があることがわかるという1つの指標となっています。

実際に耐震等級3を取得した建物は、熊本地震の震度7の繰り返す地震に耐えていることが調査でわかっています。築古物件にお住まいの方は、すぐにでも今の建物の耐震性を専門家に見てもらい、改修が必要であれば等級3と等しい評点1.5の強度まで耐震改修することをおすすめしています。家族の命を守り、長く住むために耐震改修は必要なのです。

築年数が古い家は断熱材がないケースや厚みが薄いケースが多く、快適さや省エネ性能を考慮してないために「夏暑く・冬寒い」イメージで、昨今では「電気代が高い」という状況になっています。その経験から現代の家づくりは高断熱高気密が一般的になりつつあります。しかし、築古の家では我慢を強いられる環境が未だ多く残っており、暑さ寒さによる住宅内での死亡事故も後を絶ちません。だからこそ、リノベーションをする際に高断熱化することは、住む人の快適性や健康維持、電気代を安くするなどのメリットが多くあるのです。

断熱改修に関する事例

point. 1

住宅内で寒さによる脳梗塞や心筋梗塞による事故をヒートショックと呼びます。実はヒートショックでの死亡者数は、交通事故死者数を毎年上回っています。その発生で多いのが、浴室です。断熱改修に合わせて断熱性の高いユニットバスに変えることでヒートショックを防ぎます。

point. 2

断熱材だけの改修では快適性が改善されにくい原因は、家の熱が出入りする多くが窓だからです。断熱改修に合わせてサッシを高性能なものにし、複層ガラス・トリプルガラスなどに変えることで効率よく室内を快適温度にすることができます。電気代削減など省エネにもつながります。