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家づくり性能について

快適な空気環境のための「換気」選び

2024.07.08

皆さま、こんにちは。satoie(竹田建設株式会社)の竹田瞳です。

突然ですが、皆さんは健康のために気を付けていることはありますか?
適度な運動や、健康的な食事、睡眠時間など、普段の生活の中で気にかけている方も多いと思います。

では、「空気」はどうでしょう?
毎日当たり前のように口にしている空気ですが、ここで「空気」を思い浮かべた方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は住まいの空気環境について考えます。

人が生涯で最も摂取する「空気」

人は生きるために食べ物や飲み物、そして空気を摂取してます。
その中でも一番多いのが「空気」です。

実は、人が一生のうちに体内に取り込む物質の80%以上は「空気」なのです。
食べ物や飲み物は合わせても15%ほどしかなく、飲食物とは比べ物にならないほど、空気を摂取しているのがわかります。

空気の中でも「室内の空気」は57%と最も多く、全体の過半数を占めています。
体に取り込む量が多い分、人体に与える影響も非常に大きくなります。
健康を考える上では、室内の空気環境をきれいに保つことがとても重要なのです。

換気が必要な理由

皆さんは、室内の空気は外気よりも汚れていることをご存じでしょうか。
外気は花粉や排気ガス、黄砂やPM2.5などで汚れていますが、室内はそれよりも2倍以上、場合によっては5倍以上も汚れているのです。

人は呼吸によって二酸化炭素を吐き出します。
キッチンで調理をすれば水蒸気やにおいも発生します。
衣類や紙製品から出るホコリや繊維、布団から出るダニの死骸などのハウスダスト。
塗料や接着剤、洗剤などの家庭用品に含まれる化学物質など。
人が生活することで室内の空気は汚れていきます。

そこで欠かせないのが、室内の空気をきれいにする「換気」です。
生活することで発生する空気の汚れは「換気」によって排出し、代わりに外から新鮮な空気を取り入れる必要があります。
トイレやキッチン、浴室などに換気扇がついているのは、特に汚染物質の発生が多いためです。

24時間換気の設置義務

昔は住宅の気密性が非常に低く、隙間風により自然に換気がされていました。
そのため、浴室やトイレ・キッチン以外では換気不足による室内空気の汚染が問題になることはほとんどありませんでした。

しかしその後、新建材の普及により住宅の気密性が向上し、隙間風による換気量が減り、換気不足が発生するようになります。
また、新建材に含まれるホルムアルデヒドなどの揮発性有害化学物質による「シックハウス症候群」が大きな社会問題となりました。
そのため、2003年にシックハウス法が施行され、住宅への24時間換気の設置が義務付けられるようになったのです。

24時間換気と局所換気の違い

新築住宅では24時間換気(常時換気)が義務付けられています。
24時間365日連続で動いている換気システムです。
居室では0.5回/h以上の換気、つまり2時間に1回以上は家中の空気を入れ替えられる換気設備の設置が必要なのです。

24時間換気の目的

  • シックハウスの原因となる揮発性有害化学物質の除去
  • 二酸化炭素の排出と酸素の流入
  • 温度ムラや湿気の多さによる結露対策
  • 生活臭の抑制
  • ハウスダストの排除

24時間換気とは別に、キッチンのレンジフードや浴室の換気扇といった局所換気があります。
湿気やにおいなどが急激に発生する場所に設置し、必要な時だけ稼働して、ピンポイントで汚れた空気を排出して新鮮な空気を入れ替える換気システムです。
大量の湿気やにおいの発生するキッチンや浴室では、短時間で湿気などを排出できる局所換気が設置されます。

局所換気の目的

  • 過度な湿気の排除
  • 局所的な空気汚染(においやCO2など)の除去

最小限の風量で広い空間を換気する24時間換気は、24時間365日常に運転している必要があります。
一方で、短時間に狭い空間を換気をする局所換気は、必要な時にだけスイッチを入れて動かします。
それぞれ目的が異なりますので、メンテナンス時などを除いて、24時間換気のスイッチは切らないように注意してくださいね。

換気システムの種類

ここからは24時間換気システムの「換気方式」による違いを解説していきます。
住宅の換気システムには主に、第1種換気方式と第3種換気方式に分かれます。

第1種換気方式

第1種換気方式は、外気を取り入れる「給気」と室内の空気を外に出す「排気」を、どちらも機械(ファン)で強制的に行う方法です。
確実に給気と排気ができるため、安定的で正確に空気の流れをコントロールできるのが特徴です。

第3種換気方式

第3種換気方式は、「排気」だけを機械(ファン)で行う方法です。
「給気」は各部屋に設置された換気口から自然に行われます。
排気口の換気扇が作り出す負圧(吸い出す力)により、給気口から自然と外気が入る仕組みです。

室内に湿気が溜まりにくく、またコストも抑えられるのがメリットです。
一方で、外気が各部屋の給気口からそのまま入るため、夏は蒸し暑い湿った空気が、冬は乾燥した冷たい空気が入り、冷暖房の熱損失が大きくなるというデメリットがあります。
特に冬は冷たい外気が入ることで、足元へと冷たい空気の流れが生まれ、より寒さを感じる「コールドドラフト」という現象が起きてしまいます。

「熱交換型」換気システム

第1種換気方式には、室温を保ちながら換気を行うことのできる「熱交換システム」という換気システムがあります。

給気した外気と排気する室内の空気の間で、熱が移動する仕組みです。
冬は室内の暖かい空気で冷たい外気を温め、夏は室内の涼しい空気で外気を冷やします。
そうすることで、快適な室温を保ったまま、新鮮な空気が取り込めるのです。

さらに、熱交換システムは全熱交換型と顕熱交換型に分かれます。

「全熱交換型」換気システム

全熱交換は、排気する空気から「温度(顕熱)」と「湿度(潜熱)」の全ての熱を交換する換気システムです。
高温多湿な夏は、外の暑さも湿度も取り入れずに換気ができるので除湿効果が望め、冬は室内の温度と湿度を保てるので乾燥が和らぎます。
温度も湿度も保てるため、省エネ性が高くなるのが特徴です。

「顕熱交換型」換気システム

顕熱交換は、排気する空気から「温度(顕熱)」のみを交換する換気システムです。
湿度を交換しない分、全熱交換型よりは省エネ性は劣りますが、湿度の低い寒冷地では室内の湿気を取り除くことが出来るため、多く用いられます。
また、浴室などの湿気やにおいの多い部屋も換気計画に含むことができるというメリットがあります。
ただし、冬場は建物全体が乾燥するので注意が必要です。

satoieの換気システム

satoieでは、全熱交換型でダクト式の第1種換気システムを採用しています。
温度も湿度も保てて省エネ性が高く、また安定的で正確な換気を行うことが出来る換気システムです。

欠かせない気密性能

また、計画的な換気のためには気密性能は欠かせません。
気密性が低い、つまり隙間の多い家では、どんなに機械で正確な換気をしようとしても隙間から空気が漏れたり流入してしまいます。
もちろん隙間から出入りする空気は温度や湿度の交換も出来ませんし、フィルターを通さずPM2.5や花粉などの汚染物質を含んだ外気もそのまま入ります。
本来の換気の目的を損なわないためにも、気密性能は大切なのです。

住まいの快適さやそこで暮らす家族の健康に空気環境は影響します。
これから家づくりをする方はぜひ一度、換気についても考えてみてくださいね。

倉敷で高気密高断熱な木の家を「satoie」

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