皆さま、こんにちは!
satoie(竹田建設株式会社)の竹田亜沙美です。
少し前のことですが、所属している新住協こと、新木造住宅技術研究協議会の岡山で行われた中四国・九州支部の研修会に参加しました。
今回は新住協の理事である鈴木アトリエの鈴木信弘さんの研修ということで、オンラインもありましたが実際に聞きたい!と思い、リアルでの参加をしてきました。
鈴木アトリエの鈴木信弘さんと言えば、「片付けの解剖図鑑」という収納についての本が有名です。
建築業界の方だけでなく、一般の方でも読んだことあるよ!という方がいらっしゃるかもしれないですね。
この本は海外(アジアの国々)でも発売されているそうです。
収納の悩みは世界共通なのかもしれませんね。
次はどうする?
さて、本題に戻りまして、研修会のテーマは「次はどうする?あらたな取組み」というタイトルで、木造住宅の断熱気密の性能がある程度高まってきて(なんちゃっても、まだまだ多いけど)、次にどうしますか?という問いかけから始まりました。
住宅設計とは
「次にどうするか」を考えるにあたり、まず「住宅設計とは何なのか」を改めて考えてみます。
間取りや動線の話から、どんな外観にデザインするか。
現在、神奈川大学の建築学部の教授も勤めている鈴木理事から、教育者として生徒さんと関わって得た気付きの話や、設計のプロとして鈴木アトリエの過去の事例を交えながら、設計の奥深さを知れる大変興味深い話が続きます。
歴史的なことにも話は広がり、下の写真は150年前にモースの描いた日本家屋なのですが、住宅って、そんなに変わってないね、という話でした。
海外の例を見ても、家づくりで省エネや環境問題への取組みが行われ、それが満たされ落ち着くと、次に伝統的な家づくりの要素を取り入れたスタイルへと移行していくそうです。
今の日本が省エネ等の「性能への取り組み」が広がっているので、海外と同じ傾向であれば、次には伝統的な家づくりの要素が増えてくるのかもしれないですね。
また設計している建物(住宅)が「街に対してどんな姿か?」「どんなふるまいか?」そんな風に考えて設計することも重要という話がありました。
外観(立面)をデザインする時に、satoie(竹田建設)でも大切にし、意識していることです。
satoieでは、街に対して優しく調和する建物となるように、また地域の方ともコミュニケーションが生まれやすい、そんな開けた雰囲気となるように設計しています。
地域の人と繋がるきっかけが、住宅の地域に対する佇まい方で変わってくるかもしれないと思っているからです。
これが、今回のテーマの答えのヒントとなるのかもしれません。
住宅を単体で考える(設計する)のではなく、集団・街の一部としての考える(設計する)ことが、これからは必要になってくると思うというお話でした。
関東では夢・建築工房さんやビオフォルム環境デザイン室さんが、「共同で住まう」ということに既に取り組まれており、事例の紹介がありました。
時代が変われば世の中の情勢・経済状況など、暮らしを取り巻く環境が変わったり、人々の価値観も変わっていきます。
そんな中で先ほど、住まいのトレンドが伝統的な家づくりの要素を取り入れたスタイルになるのでは?と書きましたが、そうではなく、「住まいを通じた人との関わり方」が伝統的なものに回帰するのかもしれない、というお話でした。
鈴木理事の話を聞いて、私たちsatoieが大切にしているものが今後の家づくりにはやはり大切なんだな、という自信にも繋がりました。
それと同時に、住宅に求められる第一段階である「命や身体を守る」ことに直結する住宅性能に関しても新住協の皆さんと共に学びながら、しっかりと成長していきたいです。