皆さま、こんにちは。satoie(竹田建設株式会社)の竹田瞳です。
先月、PHJ(パッシブハウス・ジャパン)四国支部の勉強会に参加し、気密測定の現場を見学しました。
今回は、愛媛県のアーキテクト工房Pureさんがパッシブハウス認定申請を予定している物件で、2種類の測定器(ドルフィンとコーナー札幌)を使った測定を比較しながら学ぶという、実践的な内容でした。

気密の基本
そもそも「気密」とは、家のすき間の少なさを示す性能です。
すき間が多いと外気が入り込み、室内の空気が逃げてしまいます。
そのすき間の量を表すのがC値(相当すき間面積)。
ただしC値は”すき間の大きさ”を示す指標であり、実際にどれくらい空気が出入りするのか(漏気量)までは分かりません。
測定で分かる建物の状態と、基準の違い
測定はまず、建物の内外の気圧差の確認から始まります。
この差が大きいと正確な測定ができないため、場合によっては再測定になります。
この工程を見ていると、建物が外の条件に左右されやすい部分があることを改めて感じました。
気密性能は、こうした外部環境の影響をどれだけ抑えられるかという点でも重要です。
続いて行われたのが、減圧法・加圧法での測定です。
減圧時には建物内の空気を外へ押し出すため、気密シートがふくらんで張りが出ます。

加圧時には逆に、シートが壁に貼りついた状態になります。

大きな動きではありませんが、建物が空気の流れにどう反応するのかが視覚的に分かり、気密測定の意味がより理解しやすく感じられました。
測定後は会場を移し、パッシブハウスの基準、JISとISOの測定法の違い、漏気回数の考え方などについて学びました。
現場で見た内容と講義が重なり、これまで断片的だった知識が整理されていく感覚がありました。
「漏気回数」が大切な理由
日本で一般的なのはJIS基準で、C値を測定します。
一方、パッシブハウスではISO基準を採用し、加圧・減圧の両方で測定をして漏気回数を算出します。
パッシブハウスの基準は、50Pa時の漏気回数が0.6回以下。
これは、約2時間弱で家中の空気が入れ替わる量に相当します。
ここで印象的だったのは、「C値が良くても、漏気回数が悪いケースも多い」という話でした。
JISでは複数の差圧点で測定してC値を求めますが、ISOでは50Paを基準に加圧・減圧の両方を測定し、漏気回数を算出します。
実際の暮らしでは「外気42℃・室内28℃」というように建物内外の寒暖差が大きくなることもあります。
ISOは50Paという、JISよりも厳しい差圧条件で測定をするため、実際に空調を使う状況に近い漏気量を把握できます。
そのため、JIS基準での測定をした際に
・C値は良いのにエアコンが効かない
・足元が寒い
・全館空調がうまく働かない
といったトラブルが起きることもあるそうです。
気密・換気・空調はセットで考える

勉強会では、気密性能は単体の数字ではなく、換気や空調の計画とセットで考えるべきものだと繰り返し話されていました。
気密が悪いと、
・計画換気が成立しない
・空調の効率が落ちる
・風の影響を受けやすくなる
といった問題が起こります。
また、建物は風や雨といった外からのストレスから人を守るものであり、そのためにも気密性能を確保することが大切であるという話が印象に残りました。
おわりに
気密測定を間近で見ることで、建物がどのように空気と関わっているのかが、以前より分かりやすく感じられました。
これからも、住まいの性能をしっかり理解していけるよう、学びを続けていきたいと思います。